ちょっといいこと。

いつも夕飯の買い物をするスーパーで
焼き鳥の屋台が出る日があって
その日にたまたま立ちあってしまうと
どうしても通り過ぎることができず
それでも焼き鳥はおかずにならないから
きょういちにちのごほうびだと言い訳をして
にんにくを串にさした“スタミナ焼き”を１本たのむ。

買い物を終えて屋台に寄ると
三角に折られた白い紙袋にくるまって
スタミナ焼きが１本、私を待っている。
それを家に着くまで待ちきれず、
車のなかで食べてしまうのが楽しみで。

夕方。
いつもの焼き鳥の屋台が見えたから
きょうは“おかず”にしようと決めて幾つか買った。
買い物を終えて、白い紙袋ではない
白いビニール袋を受け取って車に乗った。

きょうは“おかず”なのだ。
でもあんまりにもいい匂いがするから
おもわずビニール袋を開いたら
透明なプラスティックのトレーの上に
三角に折られた白い紙袋が置かれてあった。

スタミナ焼きが１本、私を待っていた。