「絶対、無理だ」という思いと「もしかしたら大丈夫なんじゃないか?」という思いで映画館へ。
映画館から出たとき、ふと自分の顔を触ると氷のように冷たい。
「顔から血の気が引く」という慣用句は、実際に起こるもんだなと思った。
はい、無理でした。
突っ張った手足が筋肉痛。
なんといっても見所は、ニコラス・ケイジが若い!若い!
なんていうんだろう、「あの頃は若かったなぁ」というのを、生々しく、超現実的に見せられたような衝撃!例えるなら両親の若い頃、20代の頃の映像をカラーで、しかも動画で見せられた気分。こんなにも若くて、情熱的で、生命力にあふれていて、思わず目を覆ってしまうような、幼さ。
まるでニコラス・ケイジの向こうに自分がいて、同じように20代の頃を見ているような不思議な感覚でした。
「そうか、あんなに若かったのか~」と。102分見て感想がそれかい!
私はこの映画を、20年前には見ていません(なにか間違った和訳みたいだ笑)。
でも20年前に見ていたら、きっと20年経ったいま、きょうこの日に見た感想とは絶対違っていただろうなというのだけは確信が持てます。それこそが、この作品の“本質”なのかもしれませんね。見る人の年齢やタイミングによって、いろんな角度から人生が味わえるという。
面白い映画でしたよ。ひと言でいうなら『とんちんかんな幸せ』でしょうか。
Life goes on.
私たちの物語もまだまだ終わらないのです。
あと、ニノって、甥っ子の匂いがします(笑)。目に入れても痛くなかった我が甥っ子は、今春めでたく小学校を卒業し、中学生になるわけですが、もうね、6年生になったとたん、電話もそっけなくなり(あれほどドラゴンボールやカブトムシのことを夢中で話してくれてたのに)手も足のサイズも一気に追い抜かれてしまいました。目を合わせてくれないところとか、髪の毛が硬くてツンツンなところとか、いつも枯れ草や芝生がついていそうなところとか、そういうの。このままなにも持たずにまっすぐ、まっすぐ育ってほしいなぁと、オババカは強く願うのですけど…。さてさて、ニノも甥っ子も、これからどんな男になっていくんですかね~。
もうすでに話の半分は通り過ぎていたようで、ストーリーとしては、前半にどれだけエージェントととしての成功があったかを描くような、そしてお決まりの、転落してここからから這い上がるんだぜ的なプロローグが進行中、というところでした。
『ブリジット・ジョーンズの日記』で主演のレニー・セルヴィガーが、彼を支えるもうひとりの主役になるわけですが、彼女の親近感あふれるふくよかさというのがいいんでしょうか、日本で言えば原日出子さんのような…が、トム・クルーズの、プラスティックのような完璧なハンサムさに現実の空気感を吹き込んでいました。
『ザ・エージェント』は96年の作品だとか。これまた賛否両論あったようですが、見終わったときに温かい涙が流れたのは、ストーリーのなかで2人のかすがいとなった息子役(この子役の名前がわからない)の、演技とは思えないほどナチュラルな可愛いらしさのせい!
もうすべてが彼に吸い取られたというか、あれはトム・クルーズをしても、やっぱり好きにならずにはいられないキャラクターだろうなと思いました。
途中から見たので経緯はわからないのですが、ちょうど見たところが、トム・クルーズと彼のシーンで、ヤケになって酔っ払ったトム・クルーズが、彼を聞き役にして仕事へのプライドを語るシーン。
でも彼は、そんなことを知ってか知らずか、大人のような顔をして頷きながら、とんちんかんに「動物園に行こう」と誘う。「動物園は好き?」と。
そのとき、ソファに並んで座っていたトム・クルーズの足を、まるで自分の足を掻くようにして、こしょこしょと足を擦り付けるんですね。そのシーンが、本当に自然だった。
現在、個人としてのトム・クルーズはいろいろと迷っている方向にあるようですが、これだけいろんな映画に出演して、どんな映画のなかでも人ひとりの人生をまっとうして、そのつど人生を描きなおして…。
それが俳優さんの運命というか、職業病であるとしたら、職人として「いい俳優」さんであればあるほど、そして大きな影響を与える、与えられる映画を経験すればするほど、いつでも現在進行中で結末の見えない自分の人生を生ききるのは難しいだろうなと思いました。
いや、俳優さんみんなが北島マヤhttp://www.tv-tokyo.co.jp/anime/garasunokamen/というわけではないんでしょうが(^^;)。
いいですね。ニノ。神楽坂のドラマです。八千草薫さんも素敵。ああいう啖呵を切れる女の人に憧れますって、また女の人ネタですね。こんな、人の気持ちに波風を立てられるようなストーリーテラーには尊敬の念を抱きます。根が、夢見る夢子ちゃんなんでしょうね。それでも、観ていて、読んでいて、心が動くことを感じていられる限り、それらは私が私であることを証明してくれるものであると、そういうもののためにドラマや小説や映画や音楽はあるのだと思っているのですが、どうでしょうか?
そういえば先日、あのドラマにスポットを当てたようなピアノについての特番がありました。ピアノの歴史やらクラッシック音楽を生み出した音楽家やらの話で、「ピアノ1台でオーケストラ」といわれている理由もわかりました。なかでも強く惹かれたのが、伝説のピアニストと呼ばれている原智恵子さんのピアノ曲。
http://columbia.jp/~chieko/
http://columbia.jp/~chieko/profile.html
番組の中で原智恵子さんのピアノ曲が流れたんですが、これが素晴らしくいい。もちろん音源は古いものなんですが、今の時代にもハッとするほど力強くて、震えるほど美しい。いろんな逸話を残している彼女(というには恐れ多い…)ですが、彼女の成し得た偉業よりも、この音を聴くだけでどれほど彼女の思いが強かったかを感じることができます。言葉を羅列してもかなわないものこそ音楽なのかもしれませんね。…でもいま一番のお気に入りはあのドラマのアニメ版(それも見てるのか!)のオープニング曲とエンディング曲だったりする。ちなみに2月23日(金)正午までビデオクリップが流れているので、もしタイミングがあえば、ぜひ。走り出すようなピアノとC・Kのオシャレな音が好きだったりします。 http://www.sonymusic.co.jp/ けっきょく、そこか!
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